私は青森県内の中規模病院で一般外科医として働いています。仕事内容は、地域の患者さんが胃癌や大腸癌になった時に手術治療を行うこと、交通事故や転落事故などで手術などの入院治療が必要となった時の管理を行うこと、それから癌治療の中で治療のすべがなくなり緩和ケアが必要になった患者さんのサポートをすることが主なものと思います。
我々は、ある時は外科医、ある時は集中治療医、そしてある時は緩和ケア医として患者さんに医療を提供しなくてはなりません。そのため、より広い分野の知識や経験が大切になってきます。もちろん患者さんの病態によっては大学病院のような大規模病院へ搬送してより専門性の高い治療をして頂かなくてはいけない場合もあります。しかし多くの場合、患者さんが住まわれている地域で患者さんに寄り添い、病態を把握し、患者さんを最も良い方向に導くことが我々に求められます。そのためには外科医としての技術のみならず、様々な領域の知識と経験が必要となります。決して簡単なことではありませんが、少しでも患者さんの力になれたと感じられた時は心からやりがいというものを感じます。
一般外科医という資格はありませんが、一般外科医の技術こそ専門性の高い外科医をめざすみなさんが習得しなくてはならない最も大切なことの一つだと思います。弘前大学外科研修プログラムでもしお会いできたなら、みなさんにこの技術を是非伝えたいと思っています。