呼吸器外科医から皆さんへ

呼吸器外科で主に扱う疾患は、肺がんや転移性肺腫瘍といった肺に発生した腫瘍をはじめ、縦隔疾患(胸腺腫瘍)、自然気胸などの胸膜疾患、漏斗胸、さらには胸部外傷などが挙げられます。

特に扱うことの多い肺がんは、罹患率が年々増加しております。非喫煙者の肺がんの増加も問題になってきています。また、肺はフィルター臓器と呼ばれ、全身の血液が環流するために大腸癌などが肺転移することも多いです。大腸癌も増加しているため、転移性肺腫瘍の手術も増加しております。新規抗がん剤がいろいろと開発されておりますが、外科治療は肺がんや転移性肺腫瘍の根治方法として重要です。手術では肺動脈や肺静脈など心臓から直接出入りする血管を処理しなくてはなりません。危険な場面も多く緊張もありますが、非常にやりがいを感じます。手術をして、元気な患者さんと外来でお会いしていると外科医でよかったと常々思います。

肺がんや転移性肺腫瘍はまだ他の癌に比べると予後不良です。手術はまだまだ発達する必要があり、手術をしやすくするための新規デバイスの開発もおこなう必要があります。現在当科では80%以上の手術を胸腔鏡補助下に行い、患者さんになるべく侵襲の少ない手術を提供することを心がけております。今後、肺がんにおいてロボット手術が保険適応となる可能性が高く、ロボット手術の準備もすすめております。しかし、どんなにいい手術をしても肺がん再発する患者さんがいます。私達の使命は、患者さんの再発を少しでも減らし、悲しむ患者さんを少しでも減らし、笑顔で過ごせる患者さんを少しでも増やすことです。ぜひ、我々と一緒に仕事をしましょう!

外科をやってみたいけど自分は外科に向いていないかも・・・とか、手が器用でないから・・・思っている人がいればぜひ相談してください。我々の中にも学生時代はそうであった人はたくさんいます。自分は器用だから外科をやりたいという人はほんの一握りしかいないのです。ぜひ我々に一度相談してください。

外科医ロードマップへ戻る

[ 弘前大学外科専門医研修プログラム統括 ]

弘前大学大学院医学研究科消化器外科学講座内

〒036-8562 青森県弘前市在府町5

TEL 0172-39-5079 / FAX 0172-39-5080